桜木町駅前にロープウェイの駅を造っているなぁと思っていたら、いつの間にか完成してました。
各メディア等でも取り上げられていますので、情報として「バリアフリー」「車イス利用可」ということは分かっています。
ただ、実際に利用できるかどうかは行ってみないと分からないこともあります。というわけで2021年4月22日の開業を前に「YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマ・エア・キャビン)」の取材へ行ってきました。
YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマ・エア・キャビン)について
ヨコハマ・エア・キャビンは、日本初の都市型循環式ロープウェイ。桜木町駅から、新港エリアの運河パーク駅まで片道約630mを約5分で結びます。
よこはまコスモワールドなどを手掛ける泉陽興業(センヨウコウギョウ)が運営しています。
「民間投資を前提とした、まちを楽しむ多彩な交通の充実」をテーマとした横浜市の公募で、過去に実績のあった同社のロープウェイが横浜市の観光振興、まちの賑わいへの貢献が期待される、とのことで採用されました。
建設、運営にあたっては横浜市の工費は使われておらず、土地利用等の占有料を横浜市に支払います、とのお話でした。
車イスで搭乗するにあたって、気になることをいろいろと伺ってきました。
- YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマ・エア・キャビン)について
- 駅舎のバリアフリー対応について
- キャビンへどのようにして乗るのか?
- キャビンのサイズはどのくらい?
- 障がい者割引はある?
- 乗ってみて気になった点など
- YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマ・エア・キャビン) 概要
駅舎のバリアフリー対応について
ヨコハマ・エア・キャビンの駅舎は桜木町駅、運河パーク駅の2ヵ所。いずれも出入口は自動ドア、搭乗口のある2階へはエレベーターを完備しています。
チケット売場、エレベーター、搭乗口までのアプローチなど、基本的にフラットで、気になる点はありませんでした。
各駅舎に1ヵ所ずつ、多目的トイレ(「バリアフリートイレ」と表記されていました)を設置。桜木町駅は2階、運河パーク駅は1階にあります。
キャビンへどのようにして乗るのか?
キャビン(=ゴンドラ)はスロープがなくても車イスで乗り込める、フラットな出入口となっています。ベビーカーもそのまま乗せてOK。
キャビンと床面との「隙間」はほとんどなく、わずかに段差がある程度です。搭乗口まであまりにスムーズなので油断していると、このキャビンに乗り込む瞬間の少しの段差に気づかないのでご注意ください。
通常はキャビンはゆっくりと動いている状態で乗り込みます。が、車イスユーザーがキャビンに乗り込む時は一時停止してもらえるので安心です。
その際、全てのキャビンが停止するため、他のお客様には、アナウンス放送されるとのことです。
キャビンのサイズはどのくらい?
キャビンの出入口を実測したところ、間口は約76cm、奥行きは約170cmでした。
耐荷重については60kg×8名程度は問題ないとのこと。ご自身の車イスのサイズに照らし合わせて、搭乗できるかどうかの参考にしてください。
私の車イスは比較的コンパクトなので、一般的な駅の自動改札(幅55cm~59cm)もギリギリ通れる幅なのですが、イスを両方跳ね上げて、キャビン内でギリギリ方向展開できるくらいのスペースでした。「キャビン内での方向転換は難しい」と思ったほうが良さそうです。
キャビン内では進行方向に向かって横向きの姿勢になるのですが、桜木町駅から乗る時はJR桜木町駅側に、運河パーク駅から乗る時はみなとみらい側に顔が向くことになります。
もし、片道だけ搭乗するのであれば、運河パーク駅から桜木町駅へ向かう際に利用するのが観光的におすすめです。
障がい者割引はある?
利用料金は、次の通り。<おとな(中学生以上)、こども(3歳~小学生)>
片道券おとな1000円、こども500円
往復券おとな1800円、こども900円
障がい者割引は半額となり、介護者大人1名も同様に半額になります。
障がい者手帳を提示する必要があるため、有人窓口でチケットを購入します。
私のように単独行動する車イスユーザーもいますが、運営会社としては、車イス利用者については、介助者同伴してもらえると、万が一何かあった時に助かるということでした。ただ、車イスユーザー1人でも搭乗可能であり、乗り場に係員が必ずいるので乗降は手伝ってもらえます。⇒開業後、単独乗車はできませんとの対応に。
ヨコハマ・エア・キャビンと大観覧車 コスモクロック21とのセット券もあります。
片道セット券おとな1500円、こども1200円
往復セット券おとな2300円、こども1500円
こちらのセット券は障がい者割引はありません。
余談ですが、大観覧車 コスモクロック21は車イスで利用できるそうです。ただ、ヨコハマ・エア・キャビンのように乗り口がフラットではないため、スロープを架けてもらう必要があります。
感覚的には…、横浜市営地下鉄のブルーラインとグリーンラインの違いでしょうか。
乗ってみて気になった点など
搭乗後、スタートしてから数メートルはスピードが速いです。「少しスピードが出ます」と事前に聞いていましたが、予想よりも速かったです。
ジェットコースターが苦手な人が感じる「フワッと」する感覚もあるので、覚悟しておいたほうが良いと思います。
あと、写真を撮ると、中にいる人が映り込むのが少しガッカリです(笑)。映り込まない特別なガラスがあればいいのに。あるいは、映り込みを逆手にとって「映え」写真にするなど。
感覚的に「片道1000円は高い」と思われているようですが、普段は見られない景色を楽しめたので、1000円は高いとは感じなかったです。私は半額になりますが…、定価でいいくらい。
「街を高所から楽しみながら移動できる観光振興施設」なのに乗車時間が短いことが残念でしたが…。
移動手段であればあのスピードでもいいですが、アトラクションと考えるならもう少しゆっくりと、観覧車をイメージするスピードで良さそうです。
夜は世界的な照明デザイナー石井幹子さんによる演出照明が行われるとのこと。どのようにライトアップされるのか気になります。
YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマ・エア・キャビン) 概要
開業日:2021年4月22日(木)
営業時間:10:00~22:00 ※4月23日から当面の間は20:00まで
全長:約1260メートル(片道630メートル)
最高高さ:約40メートル
キャビン数:36台
定員:8人乗り
取材協力:YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマ・エア・キャビン)
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