横浜スタジアムに2020年2月、レフト側スタンドに「ウィング席」が新設されました。そちらに車イス用スペースがあるとのことで、取材してきました。
レフト側ウィング席は2812席。プロ野球開催時の最大収容人数は、横浜スタジアム史上最多の34046人になったそうです。
- レフト側ウィング席の車椅子スペースは5つ
- 3階には横浜中華街監修フードショップが登場
- レフト側の多目的トイレについて
- オフィシャルショップ「BAYSTORE PARK」もオープン
- ベイディスカバリーBOXシートは誰にでも優しいスペース
- Yデッキ延長!グランドが見えるフォトスポットも
レフト側ウィング席の新設により、エレベーターは正面の目立つところにできました。
正面のエレベーターは2基ありますが、向かって右側に車イスユーザー用のボタンがありました。
プロ野球開催時は、チケットを見せてからエレベーターへ、という流れになると思うのですが、車イスユーザーはどこでチケットを見せるのか、どのようにしてエレベーターに案内されるのか、その実際の流れについてスタッフに尋ねたところ、「把握していないので確認しておきます」とのこと。
というわけで、実際の流れについては、プロ野球シーズンの開幕後に改めて聞いてみたいと思います。
レフト側ウィング席の車椅子スペースは5つ
レフト側のウィング席へはエレベーターで4階へ。エレベーターを降りて右手側に進み、61通路の先に車イス用スペースがあります。
球場全体が見わたせる位置に設けられています。天候によっては富士山も望めるそうですが、取材日(2020年3月23日)はあいにくの天気でした……。
ウィング席の車椅子利用者チケットは、車イスユーザーとその介助者1名、計2名がひとつのスペースに入れる仕様で、レフト側に5スペース、ライト側に5スペースあります。介助者にはイスが用意されるとのことです。
今回は見学していませんが、内野1塁側にも車イス用スペース(全6席)が設けられており、こちらは介助者2名まで同席可能で、駐車券付きも選べます。
インターネットでのチケット販売は下記「車椅子利用者専用販売サイト」にて購入可能です。チケットぴあの登録が必要となります。スペースが空いていれば、窓口でも購入可能ですが、車イスユーザーの野球ファンの方によると、なかなか買えないそうです。
チケット料金は、試合によって5段階に設定されています。詳しくは公式サイトにてご確認ください。
今回のレフト側ウィング席増設により、車イス用スペースは全11席となりました。約3万4000人収容できる球場としては、割合が少ないのかなぁという印象です。
3階には横浜中華街監修フードショップが登場
エレベーターで3階に降りると「濱星樓(はますたろう)」というフードショップがあります。
こちらでは、横浜中華街発展会協同組合の初めての監修による本格中華メニューを販売。主なメニューは次の通りです。
・麻婆豆腐(700円)/麻婆豆腐丼(1000円)
・エビチリ(800円)/エビチリ丼(1100円)
・海鮮あんかけ焼きそば(900円)
・春巻き(2本400円)
・肉まん(350円)
・マンゴー杏仁プリン(300円)
ただ、私のような手動の車イスユーザーの場合、購入したものを4階の自席まで運んでいくのがちょっと困難です。3階の空きスペースで食べるか、同行者に席まで持ってきてもらうか、ということになりそうです。
レフト側の多目的トイレについて
レフト側スタンドの多目的トイレは4階フロアにはなく、3階フロア、2階コンコースに設置されています。
1階(というか地上)エレベーターの脇にも多目的トイレが新設されていました。
横浜スタジアムの内外に、利用しやすいキレイなトイレがあると助かります。
オフィシャルショップ「BAYSTORE PARK」もオープン
横浜公園に開かれたオフィシャルショップ「BAYSTORE PARK(ベイストアパーク)」も、2020年3月20日にオープンしました。
野球観戦には欠かせないユニフォーム、タオル、メガホン等の応援グッズを中心に、約1500点を取り揃えるそうです。
店舗の両端2ヵ所に自動ドアが設けられています。向かって左側にレジがありますので、右側から入店するのがよさそうです。
通路は広めですが、試合のある日などは当然ながら混雑すると思います。
ベイディスカバリーBOXシートは誰にでも優しいスペース
バックネット裏のスタンド屋上に位置する「ベイディスカバリーBOXシート」も見学させてもらいました。
2020年シーズンは、横浜スタジアム最高地点となる高さ31mから野球観戦をしながら、バーベキューを楽しむことができるよう、リニューアルしました。
1ボックス6人用で全30ボックスありますが、1ボックスごとのチケット料金となるので、6人未満でも同料金となります。
ウィング席も含め、基本的に横浜スタジアムの座席はベビーカーの入場はできず、エントランス付近に数ヵ所設けてあるスペースに預けることとなります。が、こちらの「ベイディスカバリーBOXシート」は、専用エレベーターを利用することができ、ベビーカーのまま入場可能となっています。
自由度が高いボックスシートなので、車イスユーザーはもちろん、赤ちゃん連れのファミリーなど、誰にでも優しいスペースだなと感じます。
Yデッキ延長!グランドが見えるフォトスポットも
横浜スタジアムの外周をぐるりと1周できるようになった「Yデッキ」。2019年までは内野の外周まででしたが、全長600mと2倍超の長さとなりました。
試合のない日は高さ6mの位置にある通路として開放されています。
正面のエレベーターで2階にあがると、Yデッキにつながります。スロープも設けられているので、下りはそちらを利用しても。
外野スタンド位置には、横浜スタジアムを眺めることができるフォトスポット「DREAM GATE STAND(ドリームゲートスタンド)」が新設。フェンスの外側から中が見えるようになっています。
特別にフェンスの内側に入らせてもらいました。こちらは若干の空きスペースとなっているのですが、どう使うのか未定とのこと。
ぜひ、ベビーカーや車イスユーザーが並んで観戦できるスペースとして、活用して欲しいです。
プロ野球開幕のアナウンスに合わせて記事を公開しようかと思っていたので、変なタイミングになってしまいましたが……、開幕を楽しみに待ちたいと思います。
取材協力:横浜DeNAベイスターズ
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