横浜バリアフリー研究所

テーマは《横浜・カフェ・車イス》車イスユーザーが実際に行って、感じたこと、みんなに優しいカフェ情報など

「散歩の達人 首都圏バリアフリーなグルメガイド」地域が広範囲でバリアのジャンルも様々すぎ

「散歩の達人 首都圏バリアフリーなグルメガイド」

「散歩の達人 首都圏バリアフリーなグルメガイド」表紙

鎌倉紅谷「Salon de Kurumicco(サロン ド クルミッコ)」が多目的トイレを備えたバリアフリーなカフェであることは、「散歩の達人 首都圏バリアフリーなグルメガイド」という2019年7月に出版されたムック本で知りました。

「首都圏」と書かれていたので、横浜の情報も載っているのかなと期待して購入したのですが、「レストラン 風の音」という三ツ境にあるお店しか載っておらず……。

「バリアフリーに着目したグルメ本は日本初」だそうですが、本当にバリアフリーグルメ情報を必要としている人には響かない、と感じました。地域が広範囲で「バリア」のジャンルも様々すぎるからです。

 

 

 

車イスユーザーにとって気になるのが、次の3点です。

  • お店まで行くことができるか(アクセス)
  • お店へ入ることはできるか(入口の状況)
  • 店内で過ごせるか(店内の広さ、テーブルやイスの状況)

 

アクセスについて不明な点が多い

例えば厚木市のラーメン店「ZUND-BAR(ズンドバー)」が掲載されていますが、横浜からどうやって行けばよいのか、アクセスが気になります。「病院が近く、車イスユーザーの利用が多い」というコメントが書かれていますが、そりゃあ近所だったら行きたいです、美味しいですので。

そもそもZUND-BARは、ドライブがてら行くラーメン店だという印象なのですが、駐車場について詳しいデータが記載されていないことも気になります。

このほか、埼玉県や千葉県についても数店舗ずつ掲載されていますが、そもそもポツンと1軒だけある「バリアフリー」な店舗を掲載する意味があるのかどうか。この本で探して、そこへわざわざ行きたいかなぁ、と思います。

 

トイレの画像が別ページにまとめてあり不便

アクセス、入口、店内のほかに気になることが、多目的トイレがあるかどうかです。お店にない場合は、駅や商業施設が近くにあるかどうかを調べます。

トイレの状況について詳しく記載されているのはありがたいのですが、店舗のページでは文字情報だけで、画像は後ろの方にまとめて掲載されています。

トイレの画像も店舗ページに入れることはできなかったのでしょうか。いちいちめくるのが面倒です。

で、車イス用トイレがなくて「男女兼用トイレあり」というのは不要な情報であり、その写真は要らないなぁと。

入口、店内、トイレについては写真を見るのが一番分かりやすいのに、画像が載ってない店もあります。一体、誰が誰に向けて作ったのだろうと。

 

扱うジャンルの幅が広すぎてわかりにくい

また、扱うジャンルが「車いす」「アレルギー」「やわらか食」対応と様々すぎる上、混在しているのでわかりづらいです。

例えば鎌倉エリアを紹介している特集ページは、視覚障害者が案内しているページ構成となっています。そのため、鶴岡八幡宮など「絶対バリアフリーじゃないじゃん」と思われるスポットが掲載されていて。で、車イスで行けるのかどうか結局よくわからなくて。

ただ、この特集で鎌倉紅谷「Salon de Kurumicco(サロン ド クルミッコ)」に多目的トイレがあると書いてあったので、それならば車イスでも入れるんだろうな、と。そういう意味では「役立つ本だった」といえます。

 

画像が多い方が行けるかどうか判断しやすい

本当に行きたい店は、食べログなどネットの情報を調べた方がいいのかなと。で、お店側が、入口、店内、トイレの画像を載せてくれれば、すべて解決するのかなと。

そもそも「車イスユーザー」といっても、自走式と電動式ではサイズが違いますし、画像を見て自分で判断するしかないので。

とはいえ、このような「バリアフリー」に焦点をあてた雑誌が販売されるのは喜ばしいことです。こちらのムック本の特典として、紙面に掲載されなかった入口、店内、トイレの画像をネットに掲載し、読者だけが見られるようになれば、もっと役立つものとなるかもしれません。

 

▼本当の意味での「バリアフリーなカフェ」だと思った「Salon de Kurumicco(サロン ド クルミッコ)」の記事はこちら

www.barrierfree.yokohama

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