横浜ハンマーヘッドの「Kurumicco Factory(クルミッコファクトリー)」のカフェを利用し、カフェラテの美味しさに驚きました。
その時から行こう、行こうと思っていた鎌倉の「Salon de Kurumicco(サロン ド クルミッコ)」へ行ってきました。
こちらこそが本当の意味での「バリアフリーなカフェ」だと、心の底から思いました。
カフェラテが美味しいのはもちろんのこと、車イスユーザーの私にとって、それと同じくらい大切なことは「バリアフリーなカフェ」であることです。
バリアフリーなカフェとは?
そもそもバリアフリーの定義とは?
段差がないことだけがバリアフリーなのか?
これらを改めて考え、感じたこともあったお店でした。
ちょうど1年前の2018年12月のこと。車イスユーザーになって初めて、鎌倉カフェ巡りをしました。
自分へのお土産として「八幡宮前本店」でクルミッ子を買ったのですが……、そうです、サロン ド クルミッコはこちらの2階なのです! 実は、その時は全く気づきませんでした(笑)。
▲鎌倉紅谷 八幡宮前本店 1階 販売店 内観
ただその時、もしカフェがあると気づいたとしても、おそらく利用しなかったでしょう。エレベーターがあると思いませんでしたし、こちらに多目的トイレがあるとは知りませんでしたから。
鎌倉は古都であり、大型商業施設がなく、車イスユーザーが使えるトイレがなかなか見つかりません。鎌倉駅の多目的トイレぐらいしか思いつきません。
鎌倉に関しては、車イスでなくても、トイレには困ることが多いと思います。結局、飲食店に入った時に利用するしかないような。
そんなこともあったので、サロン ド クルミッコがエレベーターと多目的トイレを備えている「バリアフリーなカフェ」であると知った時は驚きました。
さて、1階 販売店の奥の「秘密のドア」の向こうのエレベーターに乗り、サロン ド クルミッコへ行きましょう。
開店時間(9:30)に到着したので、まだ空いていて。一番奥の4人掛けのテーブルに案内されました。
▲窓の外には八幡宮の赤い鳥居が見えました!
▲すべてのテーブルやイスが大きめで、ゆったりした店内
▲ガラスの向こうにエスプレッソマシンなども見ることができます
▲Salon de Kurumicco~秋・冬~(1400円税別)……鎌倉の秋・冬をイメージした、優しいスイーツのプレート。冬季限定メニューで、オレンジフラワーウォーター香るカステラ、和栗を使用したモンブラン、しょうがのブランマンジェ、ヘーゼルナッツのマカロン、カシスの生キャラメル、生チョコ(アールグレイ風味)、ちいさな鎌倉だより(プレーン、あずき、抹茶 ※クリスマス仕様)がワンプレートになっています。それぞれ単品で、大きなサイズで食べたいです
▲キャラメルナッティーラテ(650円税別)……クルミッ子のキャラメルソースを使ったサロン ド クルミッコのオリジナルラテ。ラテにキャラメルソースの香ばしさ、甘さがプラスされることで、スイーツ系ドリンクとして、これだけで満足できる1杯
▲カプチーノ(550円税別)……コーヒー感が強く感じられるカプチーノ。クルミッ子のパッケージでおなじみの「リスくん」がカップにもラテアートでも描かれています。クルミッ子ファクトリーで飲んだカフェラテと同じコーヒー豆を使っていますが、味のほかにいろいろと違いがあります。詳しくは別の機会に
▲ドリンクメニューには、クルミのおつまみとソースが付いてきてビックリ! そのままでも、クルミッ子にも使われているキャラメルのソースをかけても。600円、700円くらいのドリンクにこちらが付くことで、価格的な満足度も上がりました
コーヒー美味しいです。
ドリップコーヒーはメニューにないので、エスプレッソドリンクであり、カプチーノとラテでコーヒーを語るには、それだけでは足りないような気もしますが……、そこは「クルミッ子ファクトリー」で同じ豆を使ったエスプレッソを飲んだということで。いつか、アメリカーノも飲んでみないと。
ドリンクメニューは、紅茶、ほうじ茶のほか、ビールやワインといったアルコール類、抹茶などを使ったオリジナルドリンク、自家製レモネードやジンジャーエール、エルダーフラワーを使ったものもあり、それぞれにこだわっている点があるとのこと。
ただ、どんなにこだわっていても「スイーツあってのコーヒー」と、アシスタントマネージャーの石川紘大(ひろまさ)さんが言っていました。
石川さんは、サロン ド クルミッコとクルミッ子ファクトリーのドリンクメニューを考案、選定した方です。
コーヒーは主役ではなく脇役、引き立て役。
コーヒーがスイーツに勝っても、コーヒーがスイーツに負けてもダメ。
主役はあくまでも紅谷のスイーツ、ということ。
が、コーヒーだけ飲んだ時も満足、納得してもらえるものを。
そのようなところにコーヒーはもちろん、すべてのドリンクの美味しさへのこだわりを感じました。
バリアフリーは関係なく、美味しいスイーツ、美味しいコーヒー、美味しいドリンクのあるカフェとして、どなたにでもおすすめしたいです。
実力派のバリスタとしてコーヒー業界で知られている石川さんにいろいろとお話を伺ったので、コーヒーに関してもう少し掘り下げて、別の記事でレポートします。
※追記:レポートアップしました
あっ、会計時に、テイクアウトもやっていることに気付きました。2階にわざわざあがる必要がありますが、わざわざあがる価値のあるドリンクです。鎌倉駅までのお供に利用してみてはいかがでしょうか。
■ Salon de Kurumicco(サロン ド クルミッコ)
住所:鎌倉市雪ノ下1-12-4 鎌倉紅谷 八幡宮前本店 2階
営業時間:月曜 13:00~17:00(L.O.16:30)、火曜~木曜 9:30~17:00(L.O.16:30)、土日祝 9:30~17:30(L.O.17:00)
定休日:金曜
最寄り駅:JR横須賀線、江ノ島電鉄 鎌倉駅
▼2021年10月26日追記:大幅な見直しのため一時閉店するとのことです
日頃よりご愛顧いただきありがとうございます。Salon de Kurumiccoは営業スタイルの大幅な見直しを行うこととし一度閉店することといたしました。よりファンの皆様に喜んでお過ごしいただける特別な場所となるべく、2022年に新たなスタートを切ることを目指します。お知らせ⬇️https://t.co/D9klp6U8Jv pic.twitter.com/4T7zcMV8bh
— クルミッ子社長🐿有井宏太郎🐿 (@kurumiCCobeniya) October 25, 2021
バリアフリー度調査報告
<バリアフリー度(☆☆☆で評価)>
入口:★★★(入口は自動ドアでフラット)
店内の広さ:★★★(車イスで移動しやすい)
テーブルの高さ:★★★(問題ない高さ)
車イス用トイレ:★★★(3階に多目的トイレあり)
接客:★★★(優しさ、思いやりが感じられる)
・車イスで行ってみて…
本当の意味での「バリアフリーカフェ」だと感じました。
気になったところがないというか、不安になること、心配になることがなかったです。
店内はゆったりしていますし、テーブルもちょうど良い高さで、安心感のある接客。
鎌倉駅から徒歩で7分の場所にありますが、車イスで利用できるトイレが3階にあるので「そわそわ」することもないです。
そういったこと全てが揃っているので、本当に何も気にすることなく過ごすことができました。
そうでなければ、3時間も滞在することはできないです。(混雑時は2時間経過時にお声を掛けさせていただきます、とのことでした)
・物理的、接客的バリアフリーについて
どちらも何も言うことがないです。満点です。
懸念材料があるとすれば……、混雑時です。
1階ではお土産を買う人の行列ができていそうですし、そこを通って2階へ行けたとしても、待つスペースが限られているので、行列している場合はどのような対応となるのか不明です。
が、店員さんがうまく誘導してくれると期待しています。
今回、入店すると「おはようございます」と迎えられました。
石川さんを含めて3名くらいの店員さんに接客してもらいましたが、優しさ、思いやりを感じられるものでした。
最低限の接客ルールやマニュアルといったものはあると思いますが、自主性というか、店員さんそれぞれが考えて接客されているのではないかと。
ということで、横浜バリアフリー研究所がレポートしたカフェの中では、一番おすすめしたいカフェです。あっ、横浜ではなく、鎌倉ですが。
▼鎌倉駅からサロンドクルミッコへ、車イスでのアクセスルートはこちら
取材協力:サロン ド クルミッコ