横浜野村ビルの敷地内にあるベーカリーカフェ「R Baker(アールベイカー)みなとみらい店」。みなとみらいのMARINE & WALK YOKOHAMA(マリンアンドウォーク ヨコハマ)にある「&swell(アンドスウェル)※2021年3月に閉店」の姉妹店と聞き、行ってみました。
結論から言うと……、車イスユーザーにも、ベビーカーを押して行く人にも全くおすすめできないお店です。
悪気はありません。ただ、こういったお店について、こういった書き方をすると、私が何を伝えたいかが分かりやすいので。
余裕がありそうでギリギリの店内
外から見ると、店内には余裕がありそうなイメージでした。
で、店内に入ることもでき、席まで移動することもできたのですが、すべてがギリギリでした。ギリギリバリアフリーなようで、ギリギリバリアフリーではないような。
出入口のドアは左右2枚ですが、1枚だと車イスが通れるギリギリの幅です。
店内の通路も車イスで移動するにはギリギリの幅。歩きの人同士でもすれ違うことはできないのでは? と感じます。
バリアフリーではない接客とは
接客的には、完全にバリアフリーではないです。誤解を恐れずに言うと……「0点」です。
店に入ろうとした時からわかりました……。店員さんは4、5人いましたが、誰も笑顔なく。迷惑だと思われたのかなと。何も声をかけてもらえませんでしたので。
もちろん、セルフサービスであることは理解していますし、プラスを求めてはいないです。
こちらのお店のシステムとしては、
①陳列されているパンを、自分でトレイにとる
②レジでドリンクを注文して、会計
③カウンターでドリンクを受け取る
④自分で席まで運ぶ
全て自分でできると思えば、自分でやります。それは、100%自信のある時です。
この狭い店内で、誰がどう見ても、私が危なっかしいのは一目瞭然。ですが、会計時に店員さんから声をかけてもらえず……。
トレイをひっくり返したり、ドリンクをこぼしたりする可能性が高いと感じ、それはかえってお店に迷惑をかけるので、結局、自分からお願いしました。席まで持ってきてください、と。
お願いすることは簡単です。口があるので。失語症などで、話せない人は、どのように頼むのでしょうか。
私が例外ではなく……、例えば、杖をついている方や、足元が弱っている高齢者だったとしても、カフェラテを運んでくれないだろう、ということが容易に想像できてしまうことが少し悲しくて。
というわけで、車イスユーザーにも、ベビーカーを押して行く人にも、おすすめできません。
退店しようとした時に、食べた後のトレイを下げてくれて、出入口のドアを開けてもらい、
「ありがとうございました」
休憩中であろうキッチンの男性が笑顔で見送ってくれました。気持ち良くお店を後にすることができたのは、良かったです。
■ R Baker(アールベイカー)みなとみらい店
住所:横浜市西区みなとみらい4-4-1 横浜野村ビル1階
営業時間:8:00~18:30
定休日:無休
電話:045-228-2066
最寄り駅:みなとみらい線 新高島駅
バリアフリー度調査報告
<バリアフリー度(☆☆☆で評価)>
入口:★(周辺、入口はフラット)
店内の広さ:なし(車イスで移動しづらい)
テーブルの高さ:なし(1つだけ問題ない高さ、イスがはずせるテーブルあるが、ほとんどがイス固定、もしくはカウンター席)
車イス用トイレ:なし
接客:なし(声をかけてもらえない)
ハードルを越えてやっと「飲食する」にたどり着く
このブログを書いていて、改めて気づきました。「美味しい」というのは、私にとっては二の次というか、ハードルを越えて、その先の話になるということに。
車イス生活をしている今でも、その前の生活でも、「美味しい」を求めてお店へ行っているので、それは大切なことです。
「美味しい」と同時に、飲食しているその時間も楽しみたいわけでして……。
ただ、今では、その「飲食する」までにいくつものハードルを越えなければなりません。
例えば……、
- お店まで行くことができるか。
- お店へ入ることはできるか。
- 店内で過ごせるか。
それ以前のことで調べることがあるとすれば……、
- 場所を把握して、駅からの最短距離を調べる。
- 周辺のトイレの場所を確認する。
- 食べログなどで、お店の出入口、店内写真を確認する。
それらがあって、ハードルを越えて、やっと、パンを食べて、コーヒーを飲むことができるのです。
物理的なバリアをクリアする「何か」
そもそも私は、世の中の物理的な環境が、もっとバリアフリー化してほしいとは思っていません。
正確に言うと、理想としての願いはありますが、現実的な話としては希望していないというか。コストがかかり過ぎるので、現実的には難しいと思っています。
極端な話、車イスユーザーが「1000人に1人」だとしたら、その1人のために大きなトイレを1つ作ったり、エレベーターを作る必要があるかどうか。
本当は欲しいです、欲しいですが、それらが作れない、作らない理由もきっとあると思っています。
それよりも、現状でできることが、きっと何かあるだろうなぁということを考えています。
▼物理的にも接客的にもバリアフリーなカフェ