横浜バリアフリー研究所

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「6号車4番ドア」の段差・すき間がせまくなった!有効利用できる車イスユーザーはいる?

JR桜木町駅下りホームに設置されたピンク色の乗降口

JR桜木町駅下りホームに設置されたピンク色の乗降口

先日、JR桜木町駅で下り列車を利用した際、車イスのマークが大きく描かれた「ホームと列車のすき間をせまくしています」と書かれたピンク色のスペースを見かけました。

これ、車イスユーザーが列車を利用する際、自力で乗降車できる基準値(段差3cm以下、隙間7cm以下)を満たすように改良されている出入口に表示されているようです。

どんな場面を想定して設置しているものなのでしょうか?

 

 

 

6号車4番ドアのすき間がせまくなった!

QRコードがあったのでスマホでアクセスしてみると、次のように書かれているページ(PDF)が表示されました。

係員による降車駅への連絡を省略することで、乗車駅での待ち時間短縮を図ります。」というのが、一番の目的のようです。

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車いすをお使いのお客さまがご利用しやすい環境整備について
~ご案内の待ち時間短縮の取組み~

JR東日本では、すべてのお客さまに安心して快適にご利用いただける鉄道を目指し、バリアフリー施設の拡充等を進めております。

その一環として、一部の線区において、車いすをお使いのお客さまがご利用しやすいよう、以下の取組みを行っております。

○ホームの一部箇所にくし状の部材を設置しホームと列車のすき間をせまくするとともに、ホーム上等に案内表示を設置し、ご利用しやすい環境を整備します。

○一部線区の対象駅にて、ご自身で降車を希望されるお客さまには、係員による降車駅への連絡を省略することで、乗車駅での待ち時間短縮を図ります。

1.ホームと列車のすき間の縮小と案内表示の整備について

ホームと列車のすき間を縮小するために、ホームの一部箇所にくし状の部材を設置するとともに、ホーム上(床面とホームドア)に以下のとおり案内表示をいたします。

2.乗車駅での待ち時間短縮の取組みについて

下記の各線区の取り組みの対象となる駅にて、ご自身で降車を希望されるお客さまには、乗車時は従来通り係員がご案内いたしますが、係員による降車駅への連絡を省略することで、乗車駅での待ち時間短縮を図ります。

なお、乗車時・降車時ともに係員によるご案内を希望されるお客さまには、従来どおり降車駅への連絡を行ったうえで係員が乗車時・降車時ともにご案内いたします。

3.取り組みの対象となる駅について

山手線
https://www.jreast.co.jp/equipment/equipment_1/wheelchair/pdf/wheelchair_seibi_yamanote.pdf

京浜東北 ・根岸線
https://www.jreast.co.jp/equipment/equipment_1/wheelchair/pdf/wheelchair_seibi_keihintohoku.pdf

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私が利用する京浜東北 ・根岸線では、上記PDFによると「東神奈川、横浜、桜木町駅」の北行き(大宮方面)の6号車4番ドアが対象となっていると書かれています。 

しかし私が見たのは、桜木町駅の南行き(大船方面)の6号車4番ドアでした。謎のツレによると、関内駅の北行き(大宮方面)の6号車4番ドアにも設置されていたとのこと

上記の「取り組みの対象となる駅について」の資料には書かれていないのです。いつの時点の情報なのでしょうか。最新版ではないということで。

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ベビーカーは、段差が少なくて乗り込みやすそうなので、この「6号車4番ドア」を利用するとよいと思います。が、周知されていないのであれば、乗ろうとした車両がたまたまフラットでラッキーだった、くらいの話になりそうで。

一部の駅・一部ドアだけの設置では意味がない?

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桜木町駅で自力で乗車したとしても、降車する駅に設置されていなければ意味がありません。

自力で乗ろうとした時に、デパートのエレベーターみたいに満員で乗れないなど、イレギュラーなことが起こると対応できそうにないですし。駅員さんにスロープをかけてもらったほうが、みんな避けてくれるので。

また、いつも利用する駅でスロープをかけてもらって乗降する際、スロープの角度が違うことがあります。車両が違うと、ホームとの段差やすき間が違うようにも感じます。
もし、自力で降車することを選択してイレギュラーな高さだったら、かなり焦るでしょう。降りられないかもしれません。

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こんなケースも考えられます。例えば、私が桜木町駅から乗車するとして、同じようなタイミングで横浜駅から乗る車イスユーザーがいるとして。どちらもスロープが必要な同じ駅で降りるとしたら…。

私は横浜駅から乗ってくる人と同じ電車、同じ車両に乗せてもらわないといけなくて。駅員さん1人で、1つのスロープで降ろしてもらえるように。

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というわけで、残念ながらこの改良が、どんな場面で有効なのかが見えてこないです。もちろん、このように改良されることはありがたいことだと思います。が、横浜市営地下鉄グリーンラインのように100%バリアフリーでないと。一部でも、90%でも意味がなくて。

今後「6号車4番ドア」を有効に利用できるようにするには

関内駅に設置された段差・すき間をせまくした乗降口

乗降者数が多い駅の一部で改良されたところで、結局、いつも利用する改良されていない駅で駅員さんの案内が必要になることを考えたら、今まで通り、改札で降車する駅を伝えてスロープをかけてもらって手伝いをお願いするのが、スムーズかつ安全。

「100%できる」と思うこと以外は自力でやろうとせずお願いする、というのが私の結論になります。

果たして、現状で「6号車4番ドア」を有効的に利用できる車イスユーザーがどのくらいいるのか…。となると、多くの人が安心・安全になるホームドアを設置するほうが先でしょうか。

今後改良していくならば…、とりあえずの目標は、すべての京浜東北・根岸線の駅で「6号車4番ドア」を利用すれば自力で乗降できる状況になることでしょうか。利用しやすくなると、認知されてくるかなと思います。

ただ、段差・すき間が完全になくなるわけではないので、リスクは「0」ではありません。何かトラブルが起きた時、居合わせた方が助けてくれる優しい社会であって欲しいなと。

 

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