言わずと知れたラーメンの鬼・佐野実さんのラーメン店「支那そばや」が、2019年12月1日(日)をもって、新横浜ラーメン博物館(ラー博)を卒業することになりました。
ラー博の支那そばやでは卒業までの期間中、「卒業ラーメン」と題し、1日150杯限定で「美瑛産小麦の塩らぁ麺」を提供しています。これを食べないわけにはいかないな、というわけで、ラー博に行ってきました。
「支那そばや」がラー博に出店したのは、2000年3月11日。ラー博での営業は約20年ということですね。私自身も、車イス生活になる前から何度も行きました。藤沢にあったお店にも行ったことがあったような……。
そして、ラー博の「支那そばや」では色々食べたなぁと。中でも忘れられないのは、冷やし中華です。これ以上においしい冷やし中華には、もう出会えないような気がします。今年も食べるつもりでしたがメニューとして提供されず、残念でした。
さて、卒業ラーメン「美瑛産小麦の塩らぁ麺」ですが、ラー博の公式サイトによると、北海道・美瑛産「春よ恋」の新麦を使用した「究極の素ラーメン」とのこと。
▲美瑛産小麦の塩らぁ麺(1000円)+名古屋コーチン味付けたまご(220円)+特製チャーシュー(270円)
新麦とはワインで言うところのボジョレーヌーボーのように、今年の秋に収穫した小麦のこと。よって、この時期にしか食べられないものです。
その美瑛産「春よ恋」の新麦と北海道産「きたほなみ」を独自にブレンドした「支那そばや御用達粉」に、北海道産「春よ恋」を石臼挽きしたもの、同じく「春よ恋」を、支那そばや麺工房のステンレス臼で挽いたもの、2種類の挽き方で挽いた全粒粉を合わせた「究極の麺」だそうです。
スープには、佐野さんがラーメン専用にかけ合わせたラーメン専用地鶏「山水地鶏」をはじめ、日本三大地鶏の「比内地鶏」、「名古屋コーチン」の丸鶏とガラ、最高傑作と言われる金華豚のゲンコツと背ガラを使用。
そこに羅臼昆布、本節、鯖節、焼干し、サンマ節、白海老、ホタテ貝柱などの魚介系の旨味を掛け合わせた究極のスープとなっています。
タレに使用する塩は、佐野さんが絶賛した高知県産「海一粒」を中心に、数種類の塩をブレンドし、魚介の旨味を加えてあるそうです。
表面に浮かぶのは、名古屋コーチンの親鶏の鶏油(チーユ)。親鳥は飼育日数が長く旨みが強いのだとか。
お腹が空いていたのでトッピング(名古屋コーチン味付けたまご、特製チャーシュー)を追加。別皿で運ばれてきました。「美味しいスープと麺を純粋に楽しんでほしい」という思いが込められているのかなと。
スープはこんなに澄んでいるのに、味が奥深いというか、旨味を強く感じるのは、少し不思議な感覚です。
器はこの卒業ラーメンのために作られたもののようです。2004年から佐野さんの丼を手掛けられている有田焼「李荘窯」窯元・寺内信二さん作。卒業ラーメンのテーマに合わせて作られたオリジナルの非売品丼だそうです。
いつもはスープはレンゲで飲みますが、今回は器に口をつけて。
1杯のシンプルなラーメンですが「食」を楽しめました。
バリアフリー度調査報告
ついでと言ってはなんですが、ラー博「支那そばや」のバリアフリー状況も少し紹介しておきます。支那そばやの次のお店にも使える情報かもしれないですし、使えない情報かもしれないですが。
・出入口には少し段差あり
気にならない程度ですが、少し気にしておいたほうがいいです。「無垢ツヴァイテ」にも同じような少しの段差があって、以前、別の車イスユーザーの方がつっかかっていましたので。
・行列するのは階段ですが…
支那そばやに関しては、行列ができたら階段に並ぶことになっています。
私の場合、ラー博に行くのは「平日16:00」くらいと決めています。それは、一番空いている時間だからです。
通路もさほど広くはないので、混雑時は自由に動くことが難しそうだからです。
というわけで、支那そばやで行列した経験がなく。車イスユーザーの場合はどう対応してもらえるのか……?
おそらく入口近くに待機し、順番が来たら入れてもらえるのではないかと思います。
・車イスユーザーはテーブル席へ
写真はありませんが、店内は割とゆったりとしています。
カウンター席とテーブル席がありますが、カウンター席は固定式のイスのため、テーブル席を案内されます。
テーブルの「足」にぶつからず、車イスをテーブルに十分に近づけることができて、食べやすいです。
ラー博の店舗はなくなりますが、戸塚にある本店は、引き続き営業します。
戸塚へ行く機会はなかなかないですが、機会があればレポートしたいと思います。最寄り駅からお店へ行くことができるのか、お店に入って食べることができるのか。もしできなかったとしても、紹介したいと思います。
ラー博に関しては、その他のお店も利用しやすいですし、色々なタイプのラーメンがありますので、ぜひ行ってみてください。
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